コミックエッセイ:コソダテフルな毎日
「食べてくれない子ども」は、苦痛と戦っているのかもしれない【後編】【コソダテフルな毎日 第40話】
■その2. 「しっかり遊んでおなかが空けばおのずと食べるわよ」
もちろんやりましたとも。遊んで動いて疲れさせましたとも。
でも、食べないもんは食べないんです。
どんなにおなかが減っていようが自分の食べられると認識しているもの以外食べません。空腹は最高のスパイス! という理論は次男には当てはまりませんでした。
これも元少食っ子たちの証言によると、このとき何を考えているかはこうらしいです。
「不必要なものはとことんいらない。私たちはエコなのだ」
名言…!!(笑)
おなかが空いていても自分にとって必要なものを最小限とるだけで満足する。
たしかにそうで、次男は自分が「これ以上いらない」と決めたら惰性で食べることはしません。
■偏食っ子が大人になったら、どうなる?
そんな超偏食っ子だった元子どもたちの現在はどうなっているのかというと、ほとんどの人が
「大きくなっていくうちに自然に食べられるものが増えていった」という意見でした。
成長する過程であるときをさかいに急になんでも食べられるようになった人もいれば(たとえば高校生になって部活に打ち込み出したら食べるようになったとか)、徐々に徐々に増えていった(一口食べてみたらおいしかったのでとか)という人もいます。
どうやら、
小さい頃の偏食が必ずしも大人になっても続くというわけではないようです。
もちろん大人になっても偏食のままの方もおられましたが、それでも子どもの頃よりかは食べられるものの幅が増えたり、仕事上の付き合いなどでは我慢して食べられるまで進歩しているようです。
(小さいうちは付き合いだろうがなんだろうが絶対食べなかったのに付き合いなら嫌々でも食べるようになるだなんて…!! 相当な進歩!)
そんな元偏食っ子のみんな口を揃えて言っていたことは
「いずれ食べられるときが来るからゆっくり待ってほしい」ということでした。
これ、身に染みませんか?
待てなかった私。
何で食べないの?
何で?なんで?ばかりで、叱ったり、もう食べなくていい! と食器を下げたり、食べきれるまで食卓に残させたり。
ずーっとお箸をツンツンツンツンさせ続けていた次男の姿を思い出します。
いずれ食べられるときがきっと来るんです。
それが高校生なのか社会人なのか、はたまた人の親になってからなのか、そのタイミングがいつなのかは人それぞれです。
そのときまでゆっくり待ってほしい。それが子どもたちの気持ちだったんですね…。
次男にはかわいそうなことをしました。まだ小さかったのに、なおさらです。
ここにひとつのエピソードがあります。
短い中に心情と情景が見事に表された何度読んでも心に染みる文章です。