「なんでできないの!」から卒業しよう。子どもの挑戦する心を育てる、失敗への対応術
まずは「チェレンジ精神を鍛えるため、どんどん失敗させていい!」と、親の思考を変えることが大事かもしれません。
教育ジャーナリストの中曽根陽子氏は、子どもに失敗経験が必要な理由を次のように挙げています。*2
- 失敗経験をしないと、困難にぶつかって挫折しやすい大人になってしまうから
- 「失敗を乗り越える成功体験」が後々、経験値として威力を発揮するから
たとえば、数学のテストでつまらない計算ミスを多発し成績を落としたことで、計算式を丁寧に書き検算をする大切さが心底身に染みたことなど。筆者自身も、振り返ってみれば失敗したからこそ得られた学びがいくつもありました。
あなたにも、子ども時代に失敗経験があったからこそパワーアップできた記憶はありませんか?
【状況別】子どもが失敗したときの「親の神対応」
前章で触れたように子どもが失敗することは悪いことではありません。それなのに、「なにやってるの!」「こんなこともできないの!」などと、子ども自身を責めるような叱り方をすると、子どもは「怒られた」と感じ、「言い訳」や「反発」で自分を守ろうとします。これでは、親が本当に伝えたいメッセージが伝わるはずがありません。
コミュニケーション訓練プログラム「親業」のインストラクター、瀬川文子氏は、「子どもを叱るのは、たいてい子どもの行動に対して親が気に入らないとき」と述べています。
自分が気に入らない行動を子どもがするから、「(あなたは)どうしてそんなことするの!」と「あなた」を主語にした叱り方になり、「相手を責めるニュアンス」が強く出てしまうのです。
そこで瀬川氏は、「まずは親の心配や不安といった第一次感情を『私メッセージ』で伝える」よう提案しています。第一次感情とは「怒りより先に湧いてくる感情」のこと。
「私メッセージ」の伝え方のコツは、下記のとおりです。*3
(子どもの行動)非難がましくなく、目に見える、耳に聞こえる事実を伝える(行動から受ける自分への影響)できるだけ具体的に伝える(私の感情)正直に素直に伝える親の素直な気持ちを聞き、「自分を攻撃してくるのではなく、心配してくれているんだ」と伝われば、子どもの心のバリアが解除され安心してアドバイスに耳を傾けてくれるのではないでしょうか。
上記をふまえて、子どもが失敗したときに言ってしまいがちなネガティブな言葉を、子どもがポジティブになれる言葉に言い換える具体例をシーン別にご紹介しますので、ぜひ参考にしてみてくださいね。