グイグイ行かない消極的な息子にイライラするのよ問題
お母さんが気に病んだり、焦ってしまうと、息子さんにとって逆効果です。
■アドバイス(2)子どものサッカーに入れ込みすぎない
「試合に出ないと応援してもらえない」と、強いストレスを与えることになります。親御さんのなかには、「試合に出られないのならやめてしまえ」などと抑圧して子どもが発奮するのを待つとおっしゃる方もいますが、間違ったやり方です。実は、わが子が試合に出られない状況に親のほうが耐えられないだけです。そのため八つ当たりしているように見えます。
そうならないためには、親が子どものサッカーに入れ込み過ぎないこと。これがふたつめです。応援するのは悪いことではありませんが、彼のサッカーをみる視点を変えてください。
勝ったか負けたかを一緒に喜んだり、悔しがったりしてもよいのですが、どこか冷静さを保ってください。
■アドバイス(3)現状を悩みそうになったら「子どもには未来がある」と思い出して
そこで三つめ。
冷静さを保つには、どんなマインドセット(心の持ち方)にすればよいのでしょうか。現状をあれこれと思い悩みそうになったときは、子どもには未来があることを逐一思い出してください。
競技は違いますが、メジャーリーグで奮闘している大谷翔平選手は最近流れているCMでこう言ってます。
「そのとき上手くないってことは、それほど大事なことではなくて、その先どれだけ上手くなるか。いまだに僕はピークではないですし。今負けていたとしても、これから先勝っていけばいいことです」
今ではない、これから先にどう成長していくか。
それが大切だと考えたら、小学生の今、レギュラーでないとか、そんなことが些末なことに思えてくるはずです。
■答えを親が出してはいけない
(写真はご質問者様及びご質問内容とは関係ありません)
以上三つのことが理解していただけたら、その次は息子さんの話をじっくり聞いてあげてください。
レギュラーになれなくてつらいのか。試合に出られなくてもサッカーが楽しいのか、そうじゃないのか。その際、どうすればいいかといった答えを、お母さんが出してはいけません。
悩むのは親ではありません。子どもに悩んでもらうこと。悩んで、自分なりに答えを出して、動き出す。
それが成長というものです。そのプロセスを決して邪魔せず、見守りましょう。
島沢優子(しまざわ・ゆうこ)スポーツ・教育ジャーナリスト。