3世代で家をシェアする穏やかな時を刻む思い出の地に開いた珈琲屋
ここにはゆったりとした時間が流れ、まるでリゾート地で飲むような格別な一杯が楽しめる。
「最近嬉しいことがあったんです」ととびっきりの笑顔で話し始めた直井さん。「“先日、ここで婚姻届けを書きました”というエピソードを話してくれたお客様がいらしたんです。そういう人の人生に寄り添い、思い出の1ページになるようなお店にしていきたいですね」。
カフェ「いづみ」は、朝7時から夕方6時まで営業(水曜日定休)。土日のみ登場する直井さんのお父様が作る家庭的なサンドウィッチも好評。祖母の惠子さんがカフェで座っていると、昔馴染みの方々が集まってくるそう。
家具はすべてハンス・J・ウェグナーのもの。「心地よい椅子でゆっくり珈琲をお楽しみください」。
忙しいときにも効率的に動けるように考え尽くしたシンク。作り置きはせず、注文を取ってから淹れる。
「TENHACHI」の建築家、佐々木倫子さんの父・典彦氏の作品。「いづみ」のコーヒーは典彦氏作製のカップで提供される。
一杯ずつ心を込めて、丁寧に珈琲を淹れる直井さん。その姿は美しく、見ている人を飽きさせない。直井邸
設計TENHACHI一級建築士事務所
所在地東京都調布市
構造木造
規模地上3階
延床面積195㎡