公園の前の狭小住宅内と外を緩やかにつなぐインナーバルコニーのある家
バルコニーを部屋の一部に
「プランの打ち合わせのほとんどは、サンルームのデザインに費やされました」。
色々なやりとりの中で、憧れのサンルームは“インナーバルコニー”というカタチになった。
「サンルームを部屋っぽく使いたい、というご希望で、それなら家の中にバルコニーがあるようにしてしまおうと。共に相談を重ねる中で生まれたアイデアです」と杉山さん。
5角形の先端を舟の舳先に見立て、インナーバルコニーの中央に。そこを軸に左右対称にLDKにつながっていく。バルコニーは室内側にペアガラスの引き戸、道路側に型板ガラスの大きな開口を設け、天候によって自由に開け閉めできるようにした。
「夏はほとんど開けっ放しにしていますね。
バルコニーには防水をかけているのでビニールプールを出したり、秋にはお月見をしたり。ここがあるだけで生活が全く変わりました」。東南の角地だが、道路を挟んで隣家が建つ南側にはあえて開口を設けなかった。そのため、トップライトから降りる光や、東の公園側から西側の開口に抜ける光が強調され、陰影のある空間となった。
無垢のオークの床が心地いいリビングダイニング。照明はあまりつけず、自然光で暮らすのが好きだとか。