シックで落ち着きのある住空間建築と自然の力で生きる力が高まる
「やはり人間にとって居心地のいいスケール感というものがあるので、そこに落とし込んであげるということですね。間に袖壁を入れていますがこれも居心地をつくるときにすごく大事だと思っていて、要は守られている感覚が生まれる。開放されているだけだと落ち着かないんですね」(浅利さん)
「小さめの空間だからこそあえて区切ってレイヤーをつくって奥行きを感じるような工夫をしていろんなところに居場所をつくりましょうと提案をいただいて。そのなかで最大限豊かに暮らせるように、たとえば端の部分に開口を設けるとかいろんな工夫をしてくださいました」(Oさん)
あえてダイニングとリビングの間に壁をつくっている。奥の壁もあってレイヤーが3つ重ねられ奥行き感が生まれている。窓際に立つのはOさんと建築家の浅利さん(右)。
奥の壁は葉薫館と名付けられた賃貸スペースのもの。葉薫館には2世帯が入る。
長いスパンで考える
打ち合わせの中で浅利さんは「建築は極力シンプルなほうがいい、余計なことをしないほうがいい」とOさんに言い続けたという。「浅利さんが“何かしたいことがあっても、それはOさんが人生を歩む中で必ず変わっていくので、いまやりたいことは家具とか置き物でしておいたほうがいい。