家族がほどよくつながる多目的な高床と空庭をもつ職住一体の住まい
普通の家では面白くない
東京・世田谷の閑静な住宅街に建つ加納邸。2年半ほど前に建て替えたというその家は、ガルバリウム鋼板の黒い外壁と、2階が浮いたように見えるキャンティレバー状の構造が異彩を放っている。
「長年住んでいた以前の家は、中庭を囲むように建つユニークな構造でした。とても気に入っていたのですが、雨漏りや設備が老朽化したため、思い切って建て替えることにしたのです」と幸典さん。「普通の家では面白くない」と、感性の合う建築家を探したという。
もともとインテリアが大好きで、ライフオーガナイザーの資格も持つ奥さま。愛読している住宅雑誌で目に留まったのが、設計事務所『ステューディオ2アーキテクツ』の住宅だった。
「段差をうまく利用した住宅で、限られたスペースの中での空間使いが巧みで面白いと思ったのです。
依頼すると、以前住んでいた家をじっくり見ながら、私たちの思いを聴いてくださいました。以前の家で気に入っているところは活かしつつ、住みにくい点はクリアするといった感じで家づくりが進んでいきました」(奥さま)。
切妻の屋根なりの天井が開放感をアップ。ルーフテラスに続く“リビング階段”は奥さまのリクエスト。