築約30年の家をリノベーション好きな時代のテイストでまとめられた室内空間
1階の土間と柱
1階はリビング以外の場所を土間的な扱いにして玄関の左側のダイニングキッチンのスペースと右側にあるゲストルームなどの床にフレキシブルボードが張られている。これは田中さんの趣味のひとつである自転車が生活の一部のようになっていることを考慮した結果。現在所有している8台のうちの1、2台を室内に入れているが、きれいにつくられた床では扱いに神経を使ってしまいストレスにもなることから選択されたものという。
リビングには途中でリクエストして仕事のスペースを確保した。梁と柱の納まりの関係が通常とは異なるところがあり現場で工事監督と打ち合わせをしながら検討・対応していったという。
「もともとある柱がけっこういい柱だからそれを残して見せていこうという話をされたときに “おお、それはいいね”と」。こう田中さんが話すのはリビングとダイニングの境付近に立つ7本の柱だ。ふつうであれば狭いスペースに不自然に残ってしまったふうに見えかねないこの7本の木柱には「家の周囲にある雑木林みたいな雰囲気で残せたら」との設計の思いが込められているが、意図通り、これが田中邸の1階の空間のデザインポイントのひとつとなっている。