自然と向き合うヴォールト天井の家 植物や虫や動物たちと境界なく暮らす
という武田さんの思いは十分実現されていた。
屋上には植物が生い茂り丘の上から池を望むような感覚も。多くの種類の植物が育つように土の厚みを一般的な屋上緑化の数倍取っているが、水はけが悪くならないよう下になるほど土の粒度が大きくなるような層構成としている。
テーブルにシンクを備えたパーゴラは植物の屋根ができて完成となる。
事務所との兼用に変更
「100㎡というのはわれわれが住むには少し広すぎて、そこまでは必要ないなと。それが最初にあって事務所もまだそれほど大きくないので事務所兼用ということにしました。それとスタッフも家族もこの環境で過ごせたらいいなというのもありましたね」
内部空間でのお施主さんからの要望は「壁は木にはしないでほしい」ということ以外にはなかったため、仕上げに関しては武田さんの考えた通りのものが実現した。自分たちが住むことになって変更したのは間仕切り壁を3つほど取ったのと、カーテンを付ける予定だったのをカーテンなしにしたこと程度だったという。
ダイニングとキッチンを見る。キッチンの左の黒いスチールの壁の裏に雨水を地面まで落とすパイプが通っている。窓にカーテンは付けていないが、Pコンにボルトでカーテンレールを取り付ければカーテンありの生活も可能だ。