2018年4月6日 19:40
親権を拒否しあう離婚協議中の両親…それを知った子どもの運命は?
本作の『ラブレス』というタイトルは、ロシア語の原題「Nelyubov」というのを英語に直訳したものだそうですが、そもそもロシアでもあまり使われない単語であり、単に愛がない状態ということでもないのだという。
まずはこのタイトルに込めた思いから教えてください。
監督
この単語は辞書には載っているけれど、文学でも日常生活でも極めてまれにしか使われない言葉。でも、僕にとっては辞書に書かれている解釈でも不十分だと思っている言葉でもあるんだよ。
なぜなら、憎しみや無関心、愛がないといった概念が書かれていたとして、人生というのはそういうストレートなものだけではないと思っているからなんだ。つまり、ピアノに例えると、この単語は半音に近いものがあるから、白い鍵盤の部分ではなく、黒い鍵盤のような言葉なんだよ。
説明するのは難しいことなんだけど、唯一言えるとすれば、いろんなものが不足しているという状態であって、愛や忍耐、寛容性、他の人に対する関心といったものが欠けているということなんだ。
本作のような “ラブレスな夫婦” の姿はロシアでも多く見られていますか?
監督
確かに、何年も家庭内別居状態であるにも関わらず、子供が成長するまで一緒に暮らしている夫婦はたくさんいるよ。