2018年4月6日 19:40
親権を拒否しあう離婚協議中の両親…それを知った子どもの運命は?
つまり、スクリーン上の出来事であるというのではなく、観客にも現実だと思い込ませることが重要なんだよ。
さっき、僕は俳優に対して「信じる」という言葉を使ったけれど、それはロシア演劇のある権威が言った言葉。というのも、彼は俳優が何かを演じようと試みているときにはOKを出さず、本当だと感じられたときに「信じる」と言うんだ。そんなふうに人生と同じだと感じられることが僕にとっての基準なんじゃないかな。だから、役者にもカット毎にいま言ったことを求めているんだよ。
最後に、この作品を通して観客に感じて欲しいことがあれば教えてください。
監督
もし、この映画から政治的なメッセージしか感じられなければ、こんなにも国境を超えることはなかったし、これだけ海外で広く受け入れられたということは、この作品が「普遍的なメッセージを発している」ということでもあるよね。
僕がこの夫婦を通して伝えたかったのは、他人への思いやりと愛情を持つことがいかに大事かということ、そして他者への共感や尊敬などが失われている現代への警告なんだ。
僕にとって映画というのは「良薬は口に苦し」。それによって自分の人生や周囲との関係について振り返って考えて欲しいと思っているんだ。