2018年4月26日 20:00
前代未聞の有名ロケ弁! 芸能人に大人気の「チオベン」が生まれるまで
でもそこで、札幌のいくつかのお店から「やることないなら、うちのキッチンに入らない?」みたいなお声がけをいただいて、また飮食の仕事に就いて、さらに別のお店に移って…みたいな感じで、結局そのまま飲食で働いてましたね。その中で、『エルフィンランド』という居酒屋で働いた経験が結構大きくて、今自分がやっていることの一つのルーツかな、と思います。
――それはどんなお店?
山本さん:いわゆる単館系の映画を上映する映画館の、併設の居酒屋だったんですよね。それで、上映されている映画に合わせたメニューを出す、ということをやっていて、例えば『友だちのうちはどこ?』っていう、アッバス・キアロスタミのイラン映画の上映なら、「イラン料理やんなきゃ!」みたいな。よく覚えてるのは、ウォン・カーウァイの映画のときに、点心と何かをセットにした「恋する惑星セット」や、「天使の涙カクテル」を作ったこと。それから『青いパパイヤの香り』のときにバインミーを作ったりしました。――おそらくそれは今から20年くらい前の話で、ネットで情報を集めるのも容易ではない時代ですよね。どうやって、行ったこともない国の、食べたこともない料理を作ったんですか?
山本さん:おっしゃるとおり、食文化に対する知識はほぼないわけです。