2019年2月27日 19:00
話題作『天国でまた会おう』でフランスの名優が訴えたい悲劇的な現実
そこで今回は、映画化を手がけたこちらの方にお話を伺ってきました。それは……。
脚本・監督・出演を務めたアルベール・デュポンテル!
今回、自身と同じ名前でもあるアルベール役を演じたデュポンテルさん。フランスではベテラン俳優としてはもちろんのこと、監督としても高く評価されている存在です。今回は、急遽出演もすることになった完成までの裏側や演出面のこだわりなどについて語ってもらいました。
―原作ではもともとアルベールは若い男性として描かれていますが、年齢の設定を変更してまで演じたいと思った理由を教えてください。
デュポンテル
実は、僕が出演するのは予定外のことだったんだ。というのも、本当はほかの俳優が演じることになっていたんだけど、その人が撮影の2か月前に体力的な問題から急遽降板してしまったんだよ。
それで僕が代わりに出演することになったんだけれど、とはいえその俳優も原作よりは年齢は上だったんだ。なぜなら、エドゥアールとアルベールの間に年齢差を出すことによって、エドゥアールの強さを際立たせられると思ったから。僕にとっては、彼こそがヒーローなんだ。
―エドゥアールのどのようなところに魅力を感じましたか?
デュポンテル
彼は人間に対する高い意識を持っている人物であり、金と支配の世界に生きる父を受け入れることなく反抗し、早くから戦争は殺人でしかないということに気がついているんだ。