2019年2月27日 19:00
話題作『天国でまた会おう』でフランスの名優が訴えたい悲劇的な現実
―今回はエドゥアールを演じたナウエル・ペレーズ・ビスカヤートも本当に素晴らしかったですが、キャスティングをした理由は?
デュポンテル
実は彼が注目を集めた『BPM ビート・パー・ミニット』を撮る前に行ったオーディションで出会って、そこで起用することに決めたんだけど、彼は体の動きや目の表情がいいし、人間としてもすごく成熟しているんだ。
あと、アルゼンチン人ということもあって、フランスでの僕を知らなかったこともあり、まったく緊張していなくて傲慢なくらいなのもよかったかな(笑)。そういう意味でも、エドゥアールにはぴったりだったと思うよ。
―では、オーディションでひと目惚れしたという感じだったんですね。
デュポンテル
彼のことは全然知らなかったから、まさに幸運の一撃という感じだったよ。でも、僕がひと目惚れするのは女性だけだけどね(笑)。
―そうなんですね(笑)。では、現場で監督として俳優の先輩としてアドバイスしたこともありましたか?
デュポンテル
彼はすごく熱心だし、準備やリハを自分できちんとしていたんだ。
たとえば、今回は顔の負傷を隠すために、さまざまな仮面をつけなければいけなかったけれど、仮面が届くたびにそれをつけてどう動こうかと試行錯誤していたし、つぶれた声の出し方も声を出す装置を研究したりしながら、作り上げていったんだ。