2019年3月23日 19:50
知りたくなかった怖い話…残業のない会社に隠された知りたくなかった怖い話…残業のない会社に隠された「恐怖の秘密」 #7
世の中には、科学では証明できないこともあるようです。憑依体質の漫画家・犬養ヒロさんが聞いてしまった【知りたくなかった怖い話】を紹介します。
文・イラスト 犬養ヒロ
【犬養ヒロの知りたくなかった怖い話】vol. 7
会社に出る霊
知りたくない度
(P.N カツ男 会社員)の体験談
友人のKが転職して、とある企業で働き始めた。その会社は小さくて古い建物ではあったが、一応自社ビルらしい。入社してしばらく経つが、周りの同僚はみな親切で上司も口うるさくない。残業も無いし快適な環境で、いい会社に入れたと喜んでいた。
数か月後、上司から初めて残業を頼まれた。その仕事はどうしてもその日のうちに片付けなくてはならなかった。
他には誰も残業ができる人はいないらしく、新人のKが断れるはずがない。特にこれと言って断る理由も無かったKは、快く引き受けた。
時計の針が9時を指していたが、Kは会社に残って薄暗い社内でひとりで作業をしていた。夜の社内はやたら静かで「今日は、他の部署の人もみんな帰っているのかな?」と、思った。
夜の10時を過ぎた頃だった。ようやく仕事を済ませた時、遠くのほうで「カツーン、カツーン……」