2019年11月21日 19:50
中東問題にまさかの展開…和解に必要だったのはユーモアだった⁉
ちなみに、脚本家を目指す青年サラームにご自身を重ね合わせている部分もあると思いますが、周りに振り回されて、ストーリーを変更したこともありますか?
監督もちろんありますよ(笑)。たとえば、今回の作品でも劇中でフランスから女優が来た設定になっていますが、実はこれもヨーロッパからの資本を得るうえで、ヨーロッパの俳優を起用しなくてはいけなくなり、あのような形になりました。最初はあの役には別の女優を考えていましたが、差し替えることとなったので、実際にそういうことが起きているわけです。あとは、プロデューサーが言ったことが翌日の脚本に反映されるということもありましたね。
―実際にそういうこともあったんですね。また、日本にはないもので興味深いのは、劇中にたびたび登場する検問所のシーンですが、監督自身も何かトラブルを経験したことはありますか?
監督私もこれまでに何度も検問所を通っていますが、誰かが自分を支配するというか、自分でコントロールできない状況に陥るという感覚はありますね。親に「こうしろ!」と指図されるだけでもイラっとくるのに、赤の他人に自分の行動を左右されるわけですから。ただ、そういうふうに侮辱的なことをすること自体が検問所の存在理由でもあると思います。