2020年9月14日 20:10
ある大作家が抱える苦悩…格差社会に翻弄された波乱の人生
そのなかでも、この作品からは本当に多くのものを得ることができました。
言葉ではうまく説明できないことではありますが、この映画は力のある作品なので、僕自身を大きく成長させてくれたと感じています。
困難な役が自分を豊かにしてくれる
―表現するのが難しい役でもあったと思いますが、アプローチで苦労した部分はありましたか?
マリネッリさんもちろん、この役を演じるうえで多くの困難がありました。最初に大変だったのは、方言と体づくり。あとは、マーティン・エデンという人物になりきっている自分を信じることが大事でした。撮影が進むにつれて、ある時点で物語のなかで自分を感じることがなくなるときがあるのですが、僕にとってはそうなった瞬間にその人物になりえたという意味を持つのです。
こういった難しさに直面し続けることは挑戦でもありましたが、乗り越えることで役への理解が深まり、そして自分を豊かにしてくれたと感じています。複雑な人物像なので、非常に大変ではありましたが、同時に忘れがたい経験になりました。
―厳しい現場で、気持ちを切り替えるためにしていたことはありましたか?
マリネッリさん映画を撮影している期間中は、たとえその日の仕事が終わってもある程度は集中力を持ち続けているようなところがありますね。