2022年3月31日 20:00
「虐待を多く受けたし、今も1人で外出できません」ブラジル人トランスジェンダー俳優の現実
そこで次に何をしようか考えていたときに、YouTubeを見るのも自分がカメラに映るのも好きだし、アーティスティックなことをしたいと考えていたので、自分で撮影してみようと始めたのが最初です。
―ブラジルではトランスジェンダーの中途退学率は82%、そして平均寿命は35歳というデータが出ていると知り、かなり衝撃を受けました。この事実をどう感じていますか?
ティエッサさん本当に、ひどいことだと思っています。それ以外に言葉が出てきませんが、私たちトランスジェンダーの人生というのは、それほどいつ断ち切られてしまうかわからない状況に置かれているのです。ただ、そういったことをなくしていくためにも、性の多様性については、もっと議論していくべきですし、そのうえで相手をリスペクトすることが基本になってくると思います。
保守的な街で、多くの嫌がらせを受けたこともあった
―映画のなかのヴァレンティナのように、ご自身も危険な思いをしてきたことは多かったのではないでしょうか。
ティエッサさんそうですね。私はブラジルにある非常に保守的な田舎で育ったので、そういったことは当然ありました。
しかも、私がその街でトランスジェンダーを自称する最初の人間だったので、歩いているだけで指を差されたり、侮蔑的な言葉を投げつけられたりは日常茶飯事。