2022年3月31日 20:00
「虐待を多く受けたし、今も1人で外出できません」ブラジル人トランスジェンダー俳優の現実
そういう意味では本当にたくさんの虐待を受けてきましたし、パブリックな人間になったことによって、私の状況は悪化していると感じています。
―そういった恐怖や危険には、どのように対処しているのですか?
ティエッサさんまずは、絶対にひとりで外出しません。同僚や友人と必ず一緒に出掛けますし、知らない場所には行かないようにもしています。それくらいブラジルは、何が起こるか本当にわからない国なので……。自分の精神的かつ肉体的安全を守っていくためには、自分の行動を制限しなければならないのが現状です。
―厳しい生活を強いられることはあると思いますが、パブリックな立場にいるからこそ、この状況を変えるために行っていることもありますか?
ティエッサさんまずは、この映画で話し合うところから始めたいと考えています。公開される前は、ネガティブな反応が多いと予想していましたが、蓋を開けてみたら、感動したといった声をたくさんいただくことができましたので。
ほかにも、いまブラジルで放送されているリアリティ番組にトランスジェンダーの女性が出演していて評判になっているのですが、「彼」と呼ぶのか「彼女」と呼ぶのか、といったことなどさまざまなことが話し合われていて、徐々に認知度が上がっているのを感じています。