2022年5月18日 20:30
藤間爽子、26歳で日本舞踊の家元襲名「こんな舞踊家がいてもいいんじゃないかな」【WEB限定カット&一問一答】
その後、私は俳優業もスタートさせ、なかなか家元になる覚悟が決まらず、揺れ動いていたんです。でも、正直このまま逃げていても自信を持てるときなんて来ないかもしれないと思ったら、むしろ若さを武器に、皆さんに支えてもらいながらやってしまったほうがいいのかなと、襲名を決意しました」
今年1月には襲名披露公演を開催。決意を胸に挑んだ演目は、歌舞伎舞踊の中で女形の最高峰といわれる『京鹿子娘道成寺』。
「一つの節目として、あえて高い壁に挑戦したいと思って。でも、本番を迎えるまでは恐怖との戦い。1年ほど前からお稽古に取り掛かり、最後の1か月は毎日稽古場にこもって踊り、自分と向き合う時間を過ごしました。公演を終えて、周りの方々からは『もっと頑張っていかなきゃね』という厳しいお言葉もいただきましたが、それはありがたいこと。現状に満足したら終わりですし、自分も幕が閉じたあと、もう一回やりたいと思った。
また30代で踊るぞって」
何度でも同じ演目に挑戦したくなる。「それこそが日本舞踊の奥深さであり、醍醐味」と話す。「7月に『藤娘』という演目を踊るのですが、お酒を飲んで酔っ払う振りが出てくる。私は過去に2度踊ったことがあるのですが、最初が小学6年生で、2度目は高校生。