2022年7月15日 19:00
「日本の方の仕事は正確でした」香港・日本の共同製作で話題の監督が言及
そのため、香港のなかでも、自分のことを「中国の香港人だ」という人がいたり、「イギリスの香港人だ」という人がいたり、「どちらでもないただの香港人だ」という人がいたり、本当にいろいろです。しかも、僕も含めた香港人はみな流動的なところがあるので、今日思っていたことと、明日思うことが違う場合もあるほど。今回の撮影中に、僕自身もその答えを模索しようと考えていましたが、いまだに結論には達していないので、香港人のアイデンティティはつねに変化しているものだと感じています。
―なるほど。また、今回は3世代にわたる方々に取材をされていますが、上の世代の方と話をしてみて、印象に残っていることはありましたか?
監督先輩たちが思う香港といまの香港が全然違うので、こういう考え方もあるのかと、いろんな気づきはありました。そのほかに興味深いと感じたのは、彼らが経験してきた天安門事件や六七暴動などの運動というのは、短くて1日、長くても数か月くらいのものでしたが、そんな短期間だったにもかかわらず、いまでも彼らの人生に大きな影響を与えていること。
そういった運動をきっかけに弁護士になった人もいましたが、彼らはいまでも香港人のために何かしたいという姿勢を崩していないですし、誰かのためになることを考え続けているのです。