映画『零落』で共演 斎藤工×趣里が語る、作品と登場人物の魅力とは
元人気漫画家と風俗嬢の哀しくも美しい愛を描いた映画『零落』。本作で共演した斎藤工さんと趣里さんが、作品を通して感じた“惹かれる”気持ちを掻き立てる、カタチのないものの正体とは?
斎藤工×趣里が考える、引き寄せられる偶然と必然。
浅野いにおさんの漫画が原作の映画『零落』で、初共演を果たした斎藤工さんと趣里さん。落ちぶれてゆく人生や人間を描いた、重苦しい世界観に、強く惹かれてしまうのはなぜだろう。
――原作ファンが多い作品ですが、おふたりが感じるこの作品の魅力とは?
趣里:誰しも人間は、表には出さない部分でいろいろ抱えていると思います。その“触れてはいけないもの”が見えてしまった時に、自分と重ね合わせたり、そこから何かを思い出して衝動的に惹きつけられ、他人事ではなくなって目が離せなくなってしまう。私もいにおさんを通して、いろんな感情になったし、そして、その感情に寄り添ってもらえるような不思議な感覚も覚えました。
斎藤工(以下、斎藤):すごくわかります。
いにおさんの作品ってそれまでも、人間の赤裸々な部分を表現されてきたと思うし、それって苦しいことでもある。『零落』ではさらに描き手の本性を晒し、内臓まですべて見せられるような感覚でした。