闘病を綴った、西加奈子初のノンフィクションも。本読みライターが注目する、推しの作家&作品
恋愛小説や推しの作家などについて、書評や著者インタビューを通して、作家と作品のきらめきを伝えているライターの三浦天紗子さんと吉田大助さんに語っていただきました。
画期的な恋愛小説が登場。すべての男性の必読書!?
吉田大助(以下、吉田):今、恋愛小説って超下火じゃないですか。その代わり、家族小説が全盛になっている。ステイホーム期間もあり、家族という関係について考える機会が増えたことも作用していそうです。
三浦天紗子(以下、三浦):恋愛小説が盛り上がっていたのは20年くらい前ですかね。その後、恋愛はリスクしかないとかコスパが悪いとかさんざん言われ続けて、世の中の価値観がシフトしましたからね。
吉田:そんな時代にとんでもない作品が生まれたんです。
紗倉まなさんの『ごっこ』、もう読まれました?なにがすごいって、体の相性の「合う・合わない」というパラメータを取り入れた恋愛小説集なんです。ロマンティックさのかけらもなくなるじゃないですか!プラトニックな状態であれば好きでい続けられたのに、いざ結ばれてみたらがっかり、みたいなことが起こりうる世界なわけです。
三浦:生理的嫌悪や体の相性があるのは、女性は知っているけども、と。