くらし情報『「日本映画が“映画とは何か”を思い出させてくれた」フランスの鬼才が語る日本映画の魅力』

「日本映画が“映画とは何か”を思い出させてくれた」フランスの鬼才が語る日本映画の魅力

と考えるようになっていったのです。

―4年前に取材させていただいた際にも「欧米で制作された傑作と日本で制作された名画を比べると、日本映画の持つ力は抜群に大きいと感じる」とおっしゃっていましたが、そう思われているのはなぜですか?

監督まず、「日本映画にはヒット作が多い」というのが理由のひとつです。日本は1950年代から70年代が映画の最盛期と言われていますが、戦後の日本には素晴らしい作品が数多く誕生しました。

ヨーロッパと比べてみると、たとえばスペインにはいわゆる“最高傑作”と言われる作品が50本もないように感じますが、日本だったら50本をはるかに超えるのではないでしょうか。僕は、そういった部分での違いだと考えています。

撮影のすべてがアドリブのような感じだった

「日本映画が“映画とは何か”を思い出させてくれた」フランスの鬼才が語る日本映画の魅力


―では、本作の現場に関してもおうかがいしますが、今回はほとんど台本がなく、大半が俳優たちの即興による演技だったとか。それでも、キャストからは「監督の頭の中には何をするかという全体的なビジョンは見えていた」という声が上がっていますが、どのような演出をされていましたか?

監督老夫婦役のダリオ・アルジェントとフランソワーズ・ルブラン、そして息子役のアレックス・ルッツの3人は、とても頭がよくて協力的なので、台本がなくても事前に話し合いをするだけで、だいたいの方向性を決めることができました。

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