田村正和から柄本佑まで…時代を象徴する、テレビドラマを彩る“大人の男”たち
1990~2020年代の間で10年ごとに区切って、テレビドラマを彩る魅力的な“大人の男”キャラを考察。実はトレンドや社会情勢などの時代背景によって、視聴者から求められる男性キャラクターは大きく変わってくることに注目。またそれを演じる俳優たちがなぜレジェンドとなるのかをドラマ考察を得意とするライターの木俣冬さんに分析していただきました。
【’90s】輝かしいテレビスターの時代。
’90sを代表する大人の男『古畑任三郎』の古畑任三郎(田村正和)
一家団欒の中心にテレビがあり、家族みんなでテレビドラマを見ていた’90年代。
「ドラマを彩る俳優たちは“圧倒的スター”で、一般人とは一線を画していました」と木俣冬さん。
「特に’80~’90年代にかけて活躍したのは田村正和さん。ホームドラマが人気を博していたこの時代に、『パパはニュースキャスター』(’87年)や『カミさんの悪口』(’93年)などで父親役や夫役として圧倒的信頼を獲得。
なおかつチャーミングな一面も目立っていました。そんな田村さんの当たり役となったのが、’94年からフジテレビで放送が始まった『古畑任三郎』シリーズ。脚本家の三谷幸喜さんが作り上げた、ダンディでコミカルな古畑任三郎のキャラクター像は、当時50代に入った田村さんが演じると、斬新かつ洒脱で、老若男女問わず人気に。