「旅は素晴らしい一瞬一瞬をかき集める、その繰り返し」韓国のベストセラー作家イ・ビョンリュル氏インタビュー
25年前にインドに行った時も、15年前に南米に行った時も、一人旅をする日本の若者を見てすごくドキドキしました。 その人たちは6か月、旅をすると言っていて、何をしに行くのか尋ねたら「何もしない」と言うんですよ。そんな聖人のような旅行者たちにたくさん出会いました。
――韓国では日本と違って詩集が書店の売上ランキング上位を占めるほど詩に興味のある人が多い印象があります。イ・ビョンリュルさんとしては、これはなぜだと思われますか?
この質問に答えるためには日本についてより深く勉強しなければならないとは思いますが、まず韓国では文章を書く人を敬うという文化があるんです。李氏朝鮮時代は王の下で働く政治家たちは詩を上手に書き、文をたくさん読みました。その当時の影響が少なからずあるのではないかと思います。 以前、私はラジオの放送作家の仕事を長くしていたのですが、当時、先輩PDが私にこんな質問をしたことがありました。
「韓国で、文章が上手な男性がモテるのはなぜか」と。それで考えたんですが、やはりそういった血が私たちの心の中にあるので、文章をうまく書きたいという欲があるんだと思います。そしてロマンというものを大事にする人が韓国には多いんだと思いますね。