「旅は素晴らしい一瞬一瞬をかき集める、その繰り返し」韓国のベストセラー作家イ・ビョンリュル氏インタビュー
ただ歓迎してくれたのかもしれないですよね。キューバに来て、旅を楽しんで帰ってほしいと思ってくれたのかもしれない。言葉は交わさず、ただサムズアップと笑顔だけで伝わるものがありますよね。言葉はもちろん大事ですよね。誰かを愛して理解するためには言葉は大切ではありますが、心で愛を受け止めることもできるんです。キューバでビールをごちそうになった私が、モンゴルでは馬のお世話をする子どもたちに毎日のようにお菓子を持っていったように、愛はこうやってめぐり、伝わるものだと思います。
――この本を読んで旅をしたくなったという読者のためにアドバイスを贈るなら?
日本と違って、韓国人は旅をしてもすごく短いんです。そして情報に依存する人が多い。
ショッピングリストを作って、ここで写真を撮って…とか。私としては、旅に出たら数日は何もせず、知らない人から声をかけられたらその言葉を理解しようとすることをおすすめします。ちょっとした冒険心があったらいいと思いますね。そうして少しずつ旅が成長していきます。航空券だけを握りしめて出かける旅、予定が何もない旅、ひとりで行く旅をおすすめします。でも日本の人たちは旅がとてもお上手ですよね。