「旅は素晴らしい一瞬一瞬をかき集める、その繰り返し」韓国のベストセラー作家イ・ビョンリュル氏インタビュー
とても丁寧に作っていただいたなと感じています。
――日本の読者にどのようにこの本が届けばうれしい、という思いはありますか?
東京で電車に乗っていると、みなさんがまるで哲学者のように座っているんですよね。寂しさを極めたような、深く孤独にはまりこんだ人たちを電車ではたくさん見かけるのですが、そういった人たちにはきっと他の場所の空気が必要だと私はいつも思っていました。私の本がそういった方々にフレッシュな空気を運ぶようなものであってほしいなと思っています。旅したいと思わない人でも、自分がいる場所とは違うところでまったく違う生活をしている人たちがいて、私たちはみんな違う姿をしていて違うものを食べているけれど、同じようなことで喜び、感動するんだということをこの本を通じて感じていただければと思っています。
――この本を読みながら一緒に旅をするような気分になれました。まさに生活するように旅をするような本だなと感じましたが、イ・ビョンリュルさんにとって旅とはなんでしょうか?
私が初めて旅をしたのは10代か20代のころで、ひとり旅をたくさんしてきました。その当時は新しいもの、刺激のようなものを探すために旅をしていたんだと思います。