あなたも「住宅弱者」? 不動産専門家が教える!「物件を借りにくい人」の現状とは
事故や事件が発生した場合、次の入居者に告知する義務があり、新しい入居者を探しづらくなってしまいます。家賃を下げるなどして対応した場合、不動産オーナー(大家)の収入に影響が出てしまうため、敬遠されてしまうのでしょう。
2023年の国の意識調査では、7割の不動産オーナー(大家)が高齢者や障がい者に対する拒否感をもっているという結果も出ています。
――住宅弱者のなかでも、もっとも多数を占めるのが高齢者ではないかと思います。賃貸住宅を借りたい高齢者にはどのような不具合が起こるのでしょうか?
キョウさん65歳を過ぎると賃貸住宅を契約することが難しくなります。先ほども述べたように、認知症による徘徊等の行動や孤独死などの懸念があるためです。
「高齢社会対策総合調査」(2023年度)によると、65歳以降に入居を断られた経験のある人のなかでも、とくに単身者や世帯収入が120万円未満の人の割合が高くなっています。
夫婦ふたりで入居する、万一のときの身元引受人や家賃の連帯保証人がいるというかたなら契約してもらえる場合もありますが、身よりのない単身高齢者への貸し渋りは顕著ですね。
――資産があれば問題ないのでしょうか。