くらし情報『「誰に嫌われてもいい。大切なものがわかっていれば」映画監督・荻上直子』

「誰に嫌われてもいい。大切なものがわかっていれば」映画監督・荻上直子

には迷いがないんです。例えばリンコは、トランスジェンダーで女性として生きる道を選んで進んでいます。そこに迷いはありません。今作ではその道を選んだことより一歩進んで「リンコは母親になれるのだろうか?」ということをテーマにしています。もちろん、生まれた時の性と違う性で生きることに対して、まだまだ世間の理解は深くありません。でも、自分が決めた道を歩んでいるのであれば、周囲が何と言おうがどうでもいいと思うんです。

これは、私が私自身に対して考えていることです。こんな世界にいると、いろいろ酷いことも言われます。
ファミレスで独り何時間も仕事していれば、隣のテニス帰りの主婦たちに“変な人”みたいに見られたりもします。アラサーで仕事をしていなかった時の周囲の目も冷たかった。でも、それって気にしても仕方のないことです。自分が選んだ道を進んでいる限り、私は誰に嫌われても平気なんです。

やり続けているのは「好きが異常に強いから」
私は、映画を撮ることが好きでしかたなくて、ある時「映画をずっと撮っていく」と決心したんです。それからはブレることはないです。

自分の道を選ぶ、これだと決めることが難しいと言われれば、確かにそうかもしれません。

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