#003 “我慢と孤独”を抜け出した女性が「39人の家族」で見つけた、“ゆとり”を持ち寄ることで得られる豊かさ|渋谷の拡張家族ハウス「Cift」が描く未来の生き方
そのあと、そうやって育ててくれたおばあちゃんが、私が高校生ぐらいの時に認知症になったの。野菜炒めにクッキーを入れるとか、笑えることもあるんだけど、家族の間に不穏な空気が流れることも増えて…。大好きで尊敬している人が、別人に見えてくることはショックだったし、人間の脆さや不確かさを痛感させられた。それを家族に言うことが「できない」っと思って一人で抱えていたんだよね。 そういう原体験があったから、ずっと「世界は孤独で、誰も信用しちゃいけない」って心のどこかで思ってたみたい。中高生の頃から、張り切りガールな一方で、家では甘えたり、心の悲鳴を伝えられず、代わりに女子友達にベタベタくっつくみたいなアンバランスさがあったなあ。今もCiftでもよく人にくっついているけど(笑)。安心できる人に触れることで充電したり、何かを交流させたりすることを覚えたんだと思う。
Ayah Ai(アーヤ藍)
1990年生まれ。慶應義塾大学総合政策学部卒業。ユナイテッドピープル株式会社で、環境問題や人権問題などをテーマとした、社会的メッセージ性のあるドキュメンタリー映画の配給・宣伝を約3年手掛ける。2017年春にユナイテッドピープルを卒業し、同年夏より「ソーシャル×ビジネス」をさらに掘り下げるべく、カフェ・カンパニー株式会社で精進中。