【ハリウッドより愛をこめて】“笑い”でオスカー助演俳優部門を席巻する、注目の2人
さて、こうして候補作を見ると、ある傾向が見えてきます。作品賞での一騎打ちが予想されるこの2作は映画作りへのオマージュを捧げています。片や、アメリカの巨匠マーティン・スコセッシの『ヒューゴの不思議な発明』ではフランス映画にオマージュを捧げていますし、フランスの若手監督ミシェル・アザナヴィシウスが手がけた『アーティスト』は往年のアメリカ映画にオマージュを捧げています。この2作に加えて、作品賞部門にノミネートされた映画には、“フランス・パリ”に縁ある作品が多く集まりました。ウディ・アレン監督作『ミッドナイト・イン・パリ』とスティーヴン・スピルバーグ監督作『戦火の馬』は2作共にフランスで撮影されています(『戦火の馬』は一部)。
このほかに関心が集まるのは、男優・女優同士の戦いでしょう。主演男優賞部門では、親愛なるジョージ・クルーニーとブラッド・ピットがバトルを繰り広げますし(個人的には、ジョージが勝つと思いますが)、主演女優賞部門では、一方はハリウッドにおける、一方は政治における歴史的人物を演じた2人の素晴らしい女優が勝負を賭けます。その2人とはご存知の通り、『マーガレット・サッチャー鉄の女の涙』のメリル・ストリープと『マリリン7日間の恋』のミシェル・ウィリアムズです。