マーク・フォースター監督インタビュー “男の中の男”ジェラルド・バトラーを語る
そういう役者を探してみると、これか決して多くはないんだ。その点、ジェラルド・バトラーは“男の中の男”的な人間の強さをリアルに演じられる。これが決め手となったね。彼もサム・チルダースの物語に強く心を動かされたひとりだった。だからほかのスタッフと同じように、大変な情熱をもって撮影に臨んでくれた。映画の中身については、彼や脚本家のジェイソン・ケラーと密に話し合ったし、ペンシルバニアのサムの家に行き、彼への取材も行なった。実話の映画化だから、私たちはそのスピリットを正確に模索する必要があると感じていたんだ。クリエイティブな面でも、ジェラルドとは本当にがっつりと組んだよ」。
現在42歳。常にリアリティを追求したエンターテインメント作品を作り上げてきた監督の徹底した姿勢がうかがえる。そんな彼の監督人生の中で、影響を受けた作品を尋ねると、1本のドキュメンタリー映画を挙げてくれた。
「ドキュメンタリー映画『WATARIDORI』はとても強烈だった。詩と人生、アートがひとつになった作品だったからだ。鳥たちの生態が人間の生き方のメタファーとして描かれていて、渡り鳥の旅の高みが自由を象徴し、その次には突然悲劇が訪れることもある。