【シネマモード】『ヤング≒アダルト』に見る、「ギャップのある女」
人は人、自分は自分。歩む道が、目指す場所が違うのだと頭で理解はしていても、多くの出来事を自分だけの尺度で測りがちなのが人間です。それはきっと、いまの自分にどこか不安を抱えているから。だからこそ、「これじゃいけない、手を打たなきゃ」と自分の不安に率直に反応したメイビスの心の動きは、多くの同世代女性たちに痛いほど響くはずなのです。
もしかしたら、彼女の非常識な言動を笑い飛ばせる人は、本当に幸せな人なのかもしれません。もしくは、メイビスと自分には全く接点がないと“思い込んで”いる人…。でも、自分には関係のない話だと笑い飛ばしてみたところで、実際には本当にそうとも言い切れないのが危険なところ。まさにそこに、世間と自分との認識にギャップがあるのかもしれないのですから。
そう考えると、この作品は踏み絵的な性格を持っているのかもしれませんね。果たして、あなたにメイビス的なギャップはあるのかないのか。この、ちょっとアクの強いヒューマンドラマを通して、いまの自分と向き合ってみてはいかがでしょうか?
(text:June Makiguchi)
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ヤング≒アダルト 2012年2月25日よりTOHOシネマズシャンテほか全国にて公開
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