くらし情報『『MY HOUSE』堤幸彦監督インタビュー 「自分の棺桶に入れる映画を作りたかった」』

2012年5月25日 14:59

『MY HOUSE』堤幸彦監督インタビュー 「自分の棺桶に入れる映画を作りたかった」

堤監督は彼をモデルに、公園で静かに淡々と暮らす路上生活者と、満たされた邸宅で暮らす潔癖症の主婦や黙々と勉学に励みエリートの道を進む少年らの姿を対比的に描き出す物語に仕上げた。

通常、交わることのないはずの彼らの人生が空き缶(※路上生活者が現金収入を得るために収集)を介して交錯していく。「彼らが空き缶によって結ばれる食物連鎖的な物語にしたかった」と堤監督。“定食屋のオヤジ”ならば、路上生活者をテーマにしつつも笑いを中心にしたコメディタッチの作品に仕上げることも可能だったはず。実際、モデルの記事や書籍は、工夫を凝らした「0円生活」をユーモラスに描いている。だが、あえて映画は若者による路上生活者襲撃の描写も含め、決して明るいとは言えないトーンで紡がれていく。その理由を監督はこう語る。
「モデルとなった隅田川の鈴木さんもそうなんですが、彼(=映画の主人公)は多くの路上生活者と違って、自分で0円生活をするのだというハッキリとした意志を持ってこの暮らしをしているんです。
しかし、この生活を続けるということは最大限の“自由”を手にしているけど、我々と比することができないようなエグいリスクを負ってるわけです。

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