くらし情報『『MY HOUSE』堤幸彦監督インタビュー 「自分の棺桶に入れる映画を作りたかった」』

2012年5月25日 14:59

『MY HOUSE』堤幸彦監督インタビュー 「自分の棺桶に入れる映画を作りたかった」

冒頭の問い。定食屋のオヤジが店を飛び出したような“執念”を感じる。そんなこちらの言葉に「いや、定食屋であることに変わりはないですよ」と言いつつ「ただ、50も半ばを迎えて、こういう作品を出せる図々しさが身に着いてきたなと思う」と自らの中に生じた変化を語る。
「エンタメ作品を作るときは、とにかく楽しんでもらうために究極のサービスをしまくるというのが私の作風。『過剰だ』、『説明し過ぎだ』という批判は重々承知の上で(苦笑)、やり尽くしているわけです。でもそれはどこかで自分の本音を封印しなくてはいけないということでもある。一方で、何年に一度かは自分がやりたいことをやる『自分に正直でいる』というルールも自分に課しています。そうやってバランスを取ってきましたが、この年になって『バランスなんてもうどうでもいいや』と思えるようになりましたね。
それでブーイングを受けようがエンタメの作品数が減ろうがしょうがない。自分が気持ちよく死ぬために、こうすべきと思ったものに飛びついていこう、と。この映画を作った本当の理由は自分の棺桶に入れる映画を作りたかったのかもしれません」。こうした変化が表れているのは、映画作りの面だけではない。

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