くらし情報『【シネマカフェ的海外ドラマvol.364】若者が抱える闇に切り込む「13の理由」』

2017年4月23日 15:00

【シネマカフェ的海外ドラマvol.364】若者が抱える闇に切り込む「13の理由」

そのバイト仲間でもあったハンナは、生真面目で誠実な彼を「ヘルメットくん」と愛情たっぷりに呼ぶキュートな女の子。アカデミー賞作品賞受賞作『スポットライト 世紀のスクープ』のトム・マッカーシーが第1~2話の監督を務め、戸惑いと恐怖でテープを聴き進められないクレイに寄り添います。ハンナのいない現在とハンナのいた過去を交錯させながら、1歩ずつ“ハンナの真実”に近づくクレイは、まるでミステリーの主人公のよう。『スポットライト 世紀のスクープ』同様、マッカーシー監督が深刻な題材とスリルを真摯に融合させます。

そんな中、自らの関わる事情に向き合うのと同時に、“13の理由”のすべてを知っていくのもクレイの大切な役目。彼が“ハンナの真実”を知っていく過程で、いじめや性的暴力など、ティーンエイジャーの抱える問題が浮き彫りになっていきます。このドラマの製作総指揮を務めるセレーナ・ゴメスは原作小説に出会った当初、1本の映画にすることを想定していましたが、全13話の連続ドラマに着地したのは大正解。“13の理由”が1話ずつ語られる構成の妙はもちろん、ハンナの命が少しずつ損なわれていったこと、結果とはたくさんの「あのとき」

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