2017年9月27日 16:45
【インタビュー】松本潤 ずっと薫っていてほしかった――『ナラタージュ』に息づく葉山の存在
何か(志が)あって教師になっていると思うし。でも、奥さんとのことがあって、彼は責任感があるがゆえに抱えきれなくて、自分が(選んで歩いていた)道を逸れてしまう。そして、逃げるように富山に行く。僕のなかで葉山は、良い人でもないし悪い人でもない、正当化も否定もせずに葉山を演じていました」。
葉山を演じるうえで大きな鍵となったのは、行定監督の言葉──「目にブラインドを下ろす」ことだった。
「普段の僕が100%だとしたら、40%ぐらいまで抑えてほしい、40%ぐらいになるまで目にブラインドを下ろしてほしいと言うんです。40って何だ?そもそも俺の100って何だ?というところから始まって、単に目を細めるとか、目に力を入れないとかではなく、葉山という人間のテンションや喋り方のトーン、居方…そういうものがいつもの自分の40%にすればいいのかなと思いました」。どうすれば40%になるのか考えること、想像することが役づくりに繋がっていった。
撮影前にひとりでロケーション地の富山を訪れたことも、40%に近づく一歩となった。
「僕が生活している東京と富山とは明らかに環境が違うので、街の景色や空気感を一度、感じておきたかったんです。