2018年1月5日 19:15
【インタビュー】安心キャラで落ち着きたくない――迷わず挑戦し続ける田中圭
部屋に入ってきた瞬間、空気がパッと華やいだ。こう言っては失礼かもしれないが、隣りのお兄さんのようないい意味での普通っぽさが持ち味だとイメージしていた。だが、『伊藤くん A to E』完成披露試写の舞台挨拶を終え、スーツ姿で取材場所に現れた田中圭は身のこなしも優雅。表情や仕草に余裕があり、写真撮影ではジョークで周囲の緊張をほぐしてくれる。その振舞いは、スランプに苦しむ女性脚本家や関わる女性たちを翻弄しまくるイケメン“痛男”伊藤くんたちが繰り広げるドラマを見守るプロデューサー、田村という劇中の役どころと重なるようにも思える。
10代でデビューしてから17年、着実にキャリアを積み重ねてきた田中さんに、演技について、女性観について聞いた。
――本作は映画化発表後、昨夏にドラマも放送されました。ドラマは脚本家の矢崎莉桜(木村文乃)視点、映画は伊藤くん(岡田将生)と彼女の関係が中心になっていますね。
田中:ドラマは3人の監督が撮って、それぞれの違いもあるし、僕も含めていろいろな俳優が“伊藤くん”を演じていました。映画は、廣木監督の演出ワンカットが多いこともあって、テンポといい、全然違いましたね。