【インタビュー】リリー・フランキー×安藤サクラ 憤りと切なさと母性…そして社会に蔓延する「絆」
安藤:ものすごくシャイですよね。移動中の車の中でのお茶の飲み方がかわいいんですよ!
リリー:あのシーンの前の家を出るところで、信代(安藤さん)が見送りに来てくれて「ゴミ出して」って言って、おばあちゃんがお茶の水筒を渡してくれるんだけど、俺が思う“幸せの風景”ってあれに近い。俺ね、普段、街で見かける幸せなお父さんってランチジャーを持ってる人なの。
安藤:ランチジャー(笑)?
リリー:ランチジャーって、温かい食事を食べさせたいって愛情そのものじゃないですか?逆にランチジャーが倒れたり、どうかなってると、ものすごい不幸を感じるの。交通事故で人が倒れてたらもちろん、怖いけど、そのそばでランチジャーが倒れてたりしたら…。ドラマや映画でも、ランチジャー越しに不倫のシーンが描かれたりしてたら、絶対に見たくない(笑)!
――安藤さんは、是枝監督の作品は初めてでした。最初にオファーが来たときの気持ちは?
安藤:驚きました!自分が呼んでいただけるとは思ってなくて…。是枝監督の多くの作品で撮影を担当されてきた撮影監督の山崎裕さんだったり、俳優の井浦新さんだったり、是枝組に深く関わってきた大先輩の方々とこれまで親しくさせていただいて、ずっとお話を聞いていたので、今回のオファーがすごくうれしかったですね。