【インタビュー】リリー・フランキー×安藤サクラ 憤りと切なさと母性…そして社会に蔓延する「絆」
と反対しますが、徐々に愛情を深めていきます。血の繋がりはなくとも、そこに“母性”と呼べるものが確実にあったように思います。安藤さんも昨年、実生活で母親になりました。
安藤:私自身、子どもを産むまでは母性ってものについて、全く自覚がなかったんですよね。自分にはそういうものはないのかな?と思ってたら、子どもが産まれたらワァーっと出てくるものがあったんですよね。それこそ子どもに触れた瞬間から、全てが変わりました。何が母性なのか?と聞かれても答えられないけど。
――是枝監督が描く家族の中で、定番とも言えるお風呂のシーンなど、非常に印象的でした。
信代を演じる中で、“母”ということや“母性”を意識は…?
安藤:この作品が、子どもを産む前だったら、信代もだいぶ違う人間になっていただろうとは思いますね。ただ、信代は実際にこの女の子を産んでいるわけではないので、何が正解なのか?見ている人にどう伝わるのかはわからないですけど。
――リリーさんは、安藤さんとこういう関係性の役柄を演じられていかがでしたか?
リリー:それこそ、是枝さんが言ってたんですけど、さっきも話に出た、治が出かけるのを信代が玄関で見送るシーン。