木村拓哉、スターから俳優へ『検察側の罪人』で示した覚悟

木村拓哉と二宮和也が初共演を果たした『検察側の罪人』が封切られ、好調なスタートを切った。見どころは様々だが、何よりも、木村さんが俳優としての覚悟を全身全霊で示した姿が、強烈なインパクトを残す作品だ。
これほど“弱い”木村拓哉は見たことない
木村さんが演じるのは、東京地検刑事部きってのエリート検事・最上毅。ただし、これまでのHERO然とした役どころとはかけ離れ、自らの正義を暴走させ、冤罪さえいとわぬ“一線を超えた”捜査を強引に進めるというキャラクターだ。木村さんは抑えた演技を基調に、いつになく切れ味鋭い目線、クールだが熱を帯びたセリフ回しを駆使し、有能な検事としての側面に加えて、最上の心の奥底に居座る自責や後悔、そして焦燥を表現してみせた。
特に物語の後半で披露する、人間としてのもろさは新境地だ。きっと、これほど“弱い”木村拓哉は見たことないと、うなってしまうはず。そこに40代後半に向かう一俳優の人間味が加わり、木村=最上はさらに奥行きのある人物として、観客に世の中の矛盾を問いかけている。
役柄への深い理解と共感があってこその、たたずまいなのだ。
共演者を揺さぶる変幻自在のアドリブ
本作のプロモーションイベントを取材した際、木村さんが“仕掛けた”アドリブが、たびたび話題にあがっていた。