2019年2月14日 07:45
【インタビュー】稲垣吾郎、環境の変化で見える新たな景色「しっかり進んでいける」
こういう時間、いままで取材をしてきた中であっただろうか?たとえ大勢の記者に囲まれていたとしても、目の前にいる1人との対話に、その時間とその相手に集中する。質疑応答というより会話だ。1つの質問から、問わず語りのように豊かに広がっていく。稲垣吾郎のインタビューはそういう風に進んでいった。
木を切り、焼いて炭にしてそれを売る。生まれたときからずっと同じ場所で過ごして、40歳を目前に控えた男。阪本順治監督の『半世界』で、主演の稲垣さんが演じる紘はそんな人物だ。彼は同じく地元暮らしの同級生・光彦と、仕事を辞めて離婚して故郷に戻ってきた同級生・瑛介を迎える。
いままでにない役「新しい環境で踏み出した第一歩」
「最初に阪本監督とお会いしてプロットを見せていただいたときは2人の男の話だったんです。長谷川博己さん演じる瑛介と幼なじみで地元にいる紘の話で、僕は瑛介を演じるのか思ったんですけど、監督から『土の匂いのする男の役を』と言われて。びっくりしました」とふり返る。
「自分がいままで求められてきた役とは全く真逆の役でした。僕は、弁護士とか医者とか刑事とか、バッジを付けたような役が多かったので。個人での仕事として、新しい環境で踏み出した第一歩の、今の自分がやらせてもらえる作品としては、これ以上のものはないんじゃないかという素晴らしい作品に巡り会えました」。