ホアキン・フェニックス、“愛を求める”ジョーカーのように追求する俳優人生
『ジョーカー』でも共演するロバート・デ・ニーロ主演、マーティン・スコセッシ監督の『レイジング・ブル』(’80)のVHSテープを持って帰宅したリヴァーは、ホアキンに映画を見せ、翌朝起きてからもまた見せたのだという。「お前はもう一度演技をやるんだ。これがお前のやるべきことなんだよ」、そうホアキンに話したことを明かし、リヴァーのおかげで「演技が素晴らしい人生を与えてくれた」ことに涙を浮かべながら感謝を述べていた。
ハリウッドで将来を期待されながら亡くなった兄リヴァーへの想いを、ホアキンがこうした場で語るのはおそらく初めてのこと。兄に背中を押されて再び歩んだ俳優人生の過渡期に出会った象徴的なキャラクターに、悩みながらも全身全霊で挑んだ自信をも覗かせていた。
名匠、鬼才に愛される演技派へと真っすぐに成長…
とは行かず!?
1995年になって、兄リヴァーを『マイ・プライベート・アイダホ』に起用していたガス・ヴァン・サント監督のもと、ホアキン・フェニックスとして『誘う女』で俳優復帰。オリバー・ストーン監督の『Uターン』などをへて、ニコラス・ケイジと共演したジョエル・シュマッカー監督作『8mm』(’99)