【インタビュー】エル・ファニング、監督&製作業でも存在感増す 躍進の裏に「家族の支え」
エルは本作で、脚本・監督を手掛けているのだ。
「あれは素敵な“序章”になりました。3分という短い時間ですが、オファーをいただけて、コンセプト作りから携わることができ、脚本も自分で書いて…。母の家の裏庭で友だちと撮って、『こうやって自分が描いているビジョンに映像が宿るんだ!』とすごく楽しかったですね」。
創作の原点に立ち返り、「ものづくりの喜び」に声を弾ませるエル。ただそこには、役者という立場に対する苦悩もあったという。
「たまに、自分がパペットのように感じてしまう瞬間があるんです。もちろん自分が演じて、スクリーンの中で表現しているのだけど、このお話自体を作っているのは監督であり、脚本家なんだと思い知るんですよね。
だからこそ、『自分のもの』と思える作品を作りたい、という願望がありました。『Gucci Always Wins』はロックダウン中だったこともあり、衣装から美術から、自分で用意しないといけなかったのですが、すごくやりがいを得られましたね。ただ同時に、ものづくりの責任というか、怖さも感じました」。
家族、そして姉ダコタ・ファニングへの感謝
だが、エルの口ぶりからは、初監督作で去来した“恐怖”、或いは“重圧”すらも、渇望していたものだった、という思いがにじみ出ている。