【映画と仕事 vol.9 後編】給与、ユニオン、英語力…衣装スタッフとして活躍する日本人が明かすNYエンタメ業界のお仕事事情
ロスとニューヨークではユニオン(組合)も異なるし、いろんな部分で違いはありますね。
――映画やドラマの「衣装」の仕事というと、デザイナーやスタイリストを思い浮かべる人が多いと思いますし、そちらのほうがスポットライトを浴びる華やかなイメージはあるかもしれませんが、お話を伺っていると、現場で衣装にまつわる全てを統括し、撮影を滞りなく進めているのは「ワードローブ」チームのおかげなんですね。
そう言っていただけると嬉しいです。やっていること自体は本当に地味なのですが…(笑)。
例えば、撮影現場で俳優さんが衣装を着るタイミングについて、AD(アシスタント・ディレクター)と話し合わないといけないこともあります。スーツなどは長時間着ているとシワになってしまうので、先にメイクをしてもらって、こちらとしては撮影の直前に着てもらいたいと思っていても、ADさんから「後になると時間が取れないので、いまのタイミングで着せてほしい」と言われることもあります。必要であれば、こちらの意見を押し通さなくてはいけませんし、どんどん精神的にタフになっていきますね(笑)。
加えて最近では、コロナの感染予防対策などもあります。