【映画と仕事 vol.14】史上最大級の“死んでいる”怪獣をどうつくるか? “バカバカしさ”を求めた三木聡監督に造形師・若狭新一が示した答え
というイメージの共有、シミュレーション作業も可能になるんです。
実際、この模型を元に6メートルの造形美術を作ったと言いましたが、そちらに関しては、佛田さんは東映のスタジオの屋上で、これを使って全ての怪獣のカットを一度、撮影しています。もちろん、映画本編の怪獣は基本的にCGなので、ここで撮影されたカットで実際に本編で使われているものは多くはないと思いますが、(カット割りや構成の参考、イメージの共有のために)一度、6メートルの美術で全てのカットを撮っているんです。
――怪獣造形のスタッフとしては、できることなら“死んでいる”状態ではなく、生きて暴れ回っている姿を作りたかったのでは?
それは…(笑)、当たり前ですけど、僕らは仕事として怪獣の造形をやっているわけですから、自分の中でいくら「これ、生きて動いたらいいのになぁ…」と思ってもしょうがないですからねぇ…(苦笑)。いまでも「キャンペーン用に着ぐるみを作ったりしないのかなぁ?」とか思ってますけどね(笑)。
――この作品に限らず“怪獣”の造形を行なう上で、大切にしていることはどんなことですか?
それは難しいなぁ…。まず一番は、その映画のスタイルに合う怪獣はどんな怪獣か? ということ。