【映画と仕事 vol.14】史上最大級の“死んでいる”怪獣をどうつくるか? “バカバカしさ”を求めた三木聡監督に造形師・若狭新一が示した答え
それは常に考えますよね。映画を観に来るお客さんが、その怪獣を見てどう感じるのか?
今回の映画に関してはあまり関係ないですが、これまで僕が携わってきた怪獣映画の場合、怪獣は映画の中に登場するだけでなく、マーチャンダイジング(商品化)が深く関係します。デザイン性も求められるし、それが“商品”として認められるのか? というのも重要なポイントです。そこに関しては、頭の片隅どころか、それなりに脳内の大きな割合を占めることになりますね。
――若狭さんが、この仕事をやっていて喜びを感じるのはどういう瞬間ですか?
いまの時代、30年前、40年前の作品を簡単に見られるじゃないですか。自分がやった仕事に関して、後になって「良い仕事でしたね」と言ってもらえるとやはり嬉しいですね。ものすごい数の作品に関わってきて、僕自身が忘れている仕事もいっぱいあるんですけど、それをいまだに「好き」と言ってくれる人もいて、時に感謝されたり、称賛のお言葉をいただけたりすると「あぁ、やっぱりやっててよかったな」って思いますね。
――怪獣造形に限らず、映画の世界での仕事を志す若い人たちに向けて、メッセージやアドバイスがあればお願いします。