くらし情報『『君たちはどう生きるか』作品評 理屈を超越した「漫画映画」への回帰』

『君たちはどう生きるか』作品評 理屈を超越した「漫画映画」への回帰

「ホフマンが「君、何でつじつまがそんなに必要なんだね」と言っている感じなんです。そうすると「つじつまというやつは本当に愚劣な行為なんだな」とか、僕も思い始めるようになりましたね(中略)初めからルールは見ないという感じでやっている(笑)。そういう考え方があるんだと思ったら、それはそれで僕は納得しました、確かにそうかもしれないと(中略)僕は以前アニメーションでファンタジーはもう無理だと言っていましたが、ファンタジーはあり得ると思うようになりました」

(宮崎駿インタビュー「クルミわり人形との出会い」「熱風 2014年7月号」)
「ホフマンは幻想と現実が入り乱れて境目が判らなくなる めくるめく世界を書きました。まるでクリスマスツリーの中にまよいこんだようです。そしてやっとツリーの幹がまん中にまっすぐのびているのに気がつきました」

(「クルミわり人形とネズミの王さま展」パンフレット 2014年)

ホフマンの作品と生涯に触発された宮崎監督は、王道の骨子を堅持しつつ、つじつまを無視して個々のデコレーションをとことん追求する、新たなファンタジーの模索を開始したと思われる。それは一アニメーターの初心に戻ることでもあったのではないか。

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