くらし情報『【インタビュー】黒沢清監督が語る、黒沢流・恐怖演出と映画『Chime』での挑戦』

【インタビュー】黒沢清監督が語る、黒沢流・恐怖演出と映画『Chime』での挑戦

ちょっと混み入った話かもしれませんが、脚本で「シーン1」「シーン2」となっているものを実際に撮って編集で繋ぐと、時間も場所も別々なのに物語として繋がって見えてしまうんです。もちろんオーバーラップさせたり「3カ月後」とテロップを入れたりして説明する場合もありますが、「シーン1が会社」「シーン2が喫茶店」と場所が違っても会話が続いていたら受け入れられてしまうし、もっと言うと場所が変わったことに気づかない人もいる。脚本上には日時も場所も明確に記されていますが、映画では説明しなければ観客は次の日なのか1週間後なのかもわからない。しかしどうやら、わからなくても別にいいようなんです。こちらが説明のために衣装を替えたりしていても、誰も気づかなかったりしますから。つくづく映画って訳がわからないけれども、多くの場合人はそれでも構わないようで捉えどころがありません。

【インタビュー】黒沢清監督が語る、黒沢流・恐怖演出と映画『Chime』での挑戦

――“わからなさ”でいうと、黒沢監督の作品では一貫して犯罪の動機を「周囲はおろか本人もわからないもの」として描いているように感じます。『CURE』でもそうした言及がありますし、『Chime』も同様に、明確には明かされません。


本物の殺人犯に会ったことがないため実際どうなのかはわかりませんが、色々と本を読んだりドキュメンタリーを観たりすると、大変なことをしでかす人に限って「たまたまそこに包丁があった」

関連記事
新着くらしまとめ
もっと見る
記事配信社一覧
facebook
Facebook
Instagram
Instagram
X
X
YouTube
YouTube
上へ戻る
エキサイトのおすすめサービス

Copyright © 1997-2024 Excite Japan Co., LTD. All Rights Reserved.